【コーヒーの豆知識】コーヒーを美味しく育てるコーヒーベルトとは?世界の珈琲情報まとめ
こんにちは。OMOMUKI COMPASSの仁JINです。
そして遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。
年末年始にかけては妻や家族とカフェに出かける機会が多く、その会話の中でコーヒーにまつわる知識もたくさん共有しました。そのうちの一つにコーヒーをおいしく育てる地域であるコーヒーベルトの情報を知り、知的好奇心が駆り立てられました。
ということで、今年初ブログ投稿は「コーヒーベルト」について。皆さんはコーヒーベルトをご存じでしょうか?
今回はコーヒーベルトの紹介からコーヒー豆の有名産地、消費量ランキングなどもこのブログにまとめましたので、コーヒーを片手にぜひ最後までお付き合いください。
コーヒー栽培の最適エリア「コーヒーベルト」
赤道を中心に南北の回帰線に囲まれたエリア
コーヒーベルトとは、赤道を中心に南北緯25度にあたる南北の回帰線に囲まれた帯状のエリアを指します。コーヒーを美味しく育てる第一条件は暑い気候であり、直射日光を受けても酷暑になりづらい赤道付近の比較的温暖な地域が栽培に適しています。
世界で生産されるコーヒーの大部分はこのコーヒーベルトの地域、国で栽培されたものであるといっても過言ではありません。それだけ、コーヒー栽培において環境的恩恵が大きいエリアと言えます。
プラス必要条件は標高が高く寒暖差がある地形
良質なコーヒーを育てる条件は温暖な環境以外の地理的要因も必要です。その一つが標高です。標高が高い場所は昼と夜の寒暖差の開きが大きい地形です。コーヒー豆はその温度差によって成長過程で引き締まった実をつけることができ、質の良い豆が育ちます。
また、その他にも日当たりや降雨量、土壌状態などの条件も必要です。特に降雨に恵まれた年間平均気温が摂氏15~30度ぐらい、降雨量が1800ミリ内外の排水のよい土地にコーヒー栽培の農園が設けられています。
コーヒーの味わいを考え環境の整った各エリアや生産国ならではの工夫と様々な過程を経て珈琲豆は私たちのもとへと届けられています。
コーヒー豆の有名産地一覧
ブラジル
ブラジルはコーヒー豆生産量世界第1位の世界シェア30%を誇る国で、コーヒー豆消費量も上位に入るまさに「コーヒー大国」。ブラジルには山岳地域は少ないものの、標高600~1300mの地点にある広大な平地を活用して大規模なコーヒー豆の栽培がおこなわれています。
足場の悪い斜面での作業が多いコーヒー栽培では、収穫用機械などを用いることが困難で手摘み収穫が一般的ですが、ブラジルは大型農機を使用した大規模な収穫作業が行えるため大量生産が可能です。
日本国内で出回っているコーヒーもブラジル産は馴染みのある風味で、ほのかに甘く香ばしい香りが特徴です。
ハワイ
ハワイ・コナは奇跡的地形と貿易風から生まれたコーヒー豆で、最近は希少価値の高い豆として人気があります。
栽培地のハワイ自体は標高が300~600mと他国の生産地に比べて低いですが、火山性の土壌が豆の成長を後押ししています。さらに太平洋の真ん中にあるため、風をさえぎる障害物がなく、周りで吹く貿易風が昼と夜の寒暖差を引き起こすなど、コーヒー栽培に理想的な条件が揃っています。
奇跡的な環境で育ったハワイ・コナははっきりとした酸味と滑らかな口当たりを味わうことのできる高品質コーヒーとして、国の内外問わず愛されています。
コロンビア
アンデス山脈が広がるコロンビアは、コーヒー生産国第3位の国です。国内の90%が小規模農家で農業従事者の約3割がコーヒーに関わる事業をしているほど。
山岳地帯のため栽培は昔から変わらず手作業でとても環境が厳しいですが、そのコーヒーにかける想いが届いてか、2011年にユネスコから「コーヒー産地の文化的景観」として世界遺産に登録されました。
アンデス山脈の自然の中、コーヒーと生きるコロンビアの生産者が育てた豆は、フルーティーでコクのあるバランスの取れた味わいです。朝の一杯に最適なコーヒーです。
パナマ
パナマはカリブ海と太平洋に挟まれていて南米と中米を結ぶ地峡にある国です。パナマ運河で有名な地ですが、近年はコーヒー産地としても評価が高まっています。
海と海に挟まれている環境から「晴れながら霧雨が起きる」という稀有な気候が発生します。程よい湿度がコーヒー栽培を成功させるきっかけとなり、現在コーヒー生産が盛んになっています。また、特殊気候の贈り物と言える虹が発生する確率が高い国でもあり、レインボーマニアにも人気のある国です。
豆の風味は甘くて濃厚な味わい、国内栽培地の各品種によって味に差があるので色んな風味を楽しめます。
グアテマラ
マヤ文明が栄えたゆかりの地であるグアテマラ。山岳地域や熱帯雨林、渓谷、高原などコーヒー栽培に適した土地が豊富にあり、国内には8つの生産エリアが混在します。
各生産地ごとに味わいの違った個性豊かな豆が生産されることから、グアテマラの色彩豊かな大地から織り出される織物と同じ「グアテマラレインボー」とも呼ばれたりします。
グアテマラ国内の各環境に合わせた特徴ある栽培方法を扱うことで、生産される豆は上品で、多種多様な味わいになります。
エチオピア
コーヒー発祥の国と言われるエチオピアは、コーヒーによる国内文化があるほど愛着のある国。「コーヒーセレモニー(カリオモン)」というおもてなしの儀式は、自家焙煎から3度の抽出までを一通り行い、客人をもてなすそうです。
エチオピアには1000~3000mと標高が高い場所に高原が広がっており、温度や土壌、降雨量などコーヒー栽培に完璧な環境が整っています。ただ森に自生する在来種が数多くあり、豆の粒が各々違った形をしているのも特徴です。
爽やかなモカフレーバーがエチオピア・モカと呼ばれる所以で、ブレンドにも適した豆です。
ジャマイカ
コーヒーに詳しくなくても一度は耳にしたことがあるブルー・マウンテンは、中南米のカリブ海に浮かぶジャマイカが生んだ高品質のコーヒー豆です。
国土の8割が山岳地帯で、コーヒー栽培に適した土地は多いものの、ブルーマウンテンの生産は政府が決めた土地でしか行えない規則になっています。ブルーマウンテン生産のための法律を制定する徹底ぶりです。
私は留学時に教授が振舞ってくれたブルーマウンテン(ブレンドでしたが)を指折りの回数ほど飲んだことがあるんですが、香りや苦み、コクなど絶妙なバランスで、とても美味しかったのを覚えています。日本では高価格でまだ手を出せていませんが、自宅でプチ贅沢をするのもアリかもしれません。
インドネシア
インドネシアは、何千にもなる火山島からなる国で海に囲まれています。また湿度が高いため、コーヒーの栽培や運搬にもひと工夫が必要でした。それを可能にしたのがスマトラ式精選法で生産されるマンデリン豆。乾燥させる工程を短くでき、生豆の状態で業者に引き渡すため、独特な風味になります。
スマトラ式の精選方法で栽培された豆は、他の豆に比べてスパイシーで芳醇な風味があり、ミルクと混ぜてカフェオレにするも良し、そのままブラックで飲んでも良しです。コーヒーが少し苦手という方は、インドネシアのマンデリン豆を使ったカフェオレはいかがでしょうか?
国別コーヒー消費量ランキング、日本は何位?
コーヒーベルトに位置する色んなコーヒー生産地を紹介しましたが、実はコーヒーを消費する国にも地域差があるんです。
国際コーヒー機関ICO(International Coffee Organization)が2021年の10月に発表した一人当たりのコーヒー消費量の統計を仁JINがランキング形式で一覧にまとめてみました。
このランキング一覧から私が学べたこと、気づいたことは、
・上位国はEU、西洋国が集中していること
・生産量上位国は消費量が低めであること
・アジア地域の国が比較的少ないこと
などが挙がります。
コーヒー愛好家が多いイメージのある日本でも順位は16位、一日一人当たりのコーヒー消費杯数は約1杯。1位のルクセンブルクでは、一日一人当たり約5杯もコーヒーをたしなむと考えると相当な数字の差です。アジア地域はコーヒーよりもお茶の文化が根強いことも少なからずランキングに影響していそうです。
前述したコーヒー生産国も消費量ランキングではブラジルが上位にいるくらいで、他は見当たりません。コーヒーベルト付近の暑い気候だとコーヒーよりも塩分や糖分の高い飲み物が好まれているのも理由の一つと考えられます。
世界のコーヒー事情も地政学や民族文化、宗教なども関係していそうなので、ランキング一つ取っても色んな学びがあります。
今後もコーヒーにまつわる面白そうな豆知識をお届けしたいと思いますので、次回のブログもお楽しみに。
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ではこの辺で。
「あなたのセカイに、趣味のミライを。」
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参考サイト
ハワイコナコーヒーの魅力 | UCC直営農園 | 企業情報 | コーヒーはUCC上島珈琲
エチオピア産コーヒー豆の特徴って? コーヒーの母国の味が知りたい! – TAILORED CAFE online store